7931のあたまんなか

数学/読書メモ/自分の考え方/水曜どうでしょう/交通関係(道路・航空)など、頭の中にあることを書き出しています。

射影表現と表現群~『表現論入門セミナー』読書メモ その2

『表現論入門セミナー―具体例から最先端に向かって』の読書メモ第2回です。

表現論入門セミナー―具体例から最先端にむかって

表現論入門セミナー―具体例から最先端にむかって

いろいろな表現(§1.2)

 G のいろいろな表現が、誕生した経緯とともに説明されている。

置換表現

有限群  G置換表現とは、  G から  n 次対称群  \mathfrak{S}_n への準同型のことをいう。

線形表現

ベクトル空間  W 上の可逆な線形変換全体がなす群を  \mathrm{GL}(W) と書く。
 W= \mathbb{C}^d のときは  \mathrm{GL}(d, \mathbb{C}) と書き、これは正則な  d 次正方行列全体である。

 G線形表現とは、準同型  \pi : G \to \mathrm{GL}(W) のことをいう。

線形表現の指標

線形表現  \pi指標  \chi_{\pi} は、各  g \in G \chi_{\pi}(g) = \mathrm{tr}( \pi (g)) \in \mathbb{C} で定義される。これは  G の1次元表現になる。

分数変換と表現

 m 次正方行列  A = (a_{ij}) \in M_m(\mathbb{C}) に対して、分数変換  P_A : \mathbb{C}^{m-1} \to \mathbb{C}^{m-1} を次のように定義する:

 x := (x_i) \in \mathbb{C}^{m-1} に対して、  P_A (x)  \in \mathbb{C}^{m-1} の第  i 成分が  \displaystyle x_i ' = \frac{ \sum_{k=1}^{m-1} a_{ik}x_{k} + a_{im}}{\sum_{k=1}^{m-1} a_{mk}x_{k} + a_{mm}}  ( 1 \le i \le m-1) と書かれる。

ここで、  P_{\lambda A} = P_A , \ P_A \cdot P_B = P_{AB} , \ P_A^{ \ -1} = P_{A^{-1}}  (A,  B \in \mathrm{GL}(m, \mathbb{C}), \ \lambda \in \mathbb{C}^{\times}) に注意する。

すると、 P_{\bullet}  \mathrm{GL}(m, \mathbb{C}) の表現に見える。これが  (m-1) 次元の複素射影空間上の表現になるようだ。 *1

射影表現

有限群  G射影表現  \Pi とは、  g \in G \Pi (g) \in \mathrm{GL}(m, \mathbb{C}) を対応させて、  \Pi(g) \Pi(h) = r_{g,h} \Pi (gh)  (g, h \in G, \ r_{g,h} \in  \mathbb{C}^{\times}) を満たすものをいう。

線形表現は射影表現の特別な場合

スカラー  r_{g,h} が常に1 (つまり  r_{g,h} \equiv 1 )の場合は、  \Pi は線形表現になる。

射影線形群

 \mathrm{GL}(m, \mathbb{C}) の中心(すべての元と可換な元)は  \{ \lambda 1_m \ | \ \lambda \in \mathbb{C}^{\times} \} \simeq \mathbb{C}^{\times}  となる。

 \mathrm{PGL} (m, \mathbb{C}) :=  \mathrm{GL}(m, \mathbb{C}) / \mathbb{C}^{\times} 射影線形群と呼ぶ。

射影表現の別の見方

以上により、射影表現  \Pi G から  \mathrm{PGL} (m, \mathbb{C}) への準同型と言える。 *2

射影表現を線形表現に直せるか?

表現論で最も重要な数学者であるシューア *3 が考えたのは、「任意の射影表現をスカラー倍で修正して、線形表現に直せるか?」ということだったという。

つまり、射影表現  \Pi について、  \Pi (g) \lambda_{g} \Pi(g) \ (\lambda_{g} \neq 0) に置き換えて線形表現が得られるかということである。

この答えを、中心拡大という概念を使って得た。

中心拡大

 \widetilde{G} が有限群  G中心拡大であることを次のように定義する:

全射準同型  \phi : \widetilde{G} \to G で、  Z := \mathrm{Ker} \ \phi  \widetilde{G} の中心に入るものが存在する。(言い換えると、  Z の元はすべての  \widetilde{G} の元と可換である。)

シューアの問題の答え

有限群  G の適当な中心拡大  \widetilde{G} を取れば、  G の任意の射影表現が  \widetilde{G} の線形表現になる。

中心拡大について言えること

  • 群準同型の図式  1 \to Z \to \widetilde{G} \xrightarrow{\phi} G \to 1 は完全であるともいえる。
    • 完全であるとは、準同型  f_i たちについて、  \mathrm{Im} \ f_{i-1} = \mathrm{Ker} \ f_i \ (\forall \ i) を満たすことをいう。 *4

表現群

中心拡大のうちで最も‘効率的’なものはすべて有限群で、同型を除いて有限個のみであることが知られている。

これを  G表現群という。

表現群の具体例

 n 次対称群と交代群の表現群は§1.2.4~§1.3.2で説明されている。

*1: x_i' の定義の分母が0になるときの対処に関係する。

*2:定数倍を同一視している形なので、まさに「射影」という言葉がぴったりだと思った。

*3:本書では、「シュア」と綴っている。

*4:『数学セミナー 2018年11月号』 P76で完全系列について言及されている。(連載「双対と表現」第2回)

置換群とその表現群~『表現論入門セミナー』読書メモ その1

買ってから14年経ってようやく『表現論入門セミナー ― 具体例から最先端に向かって』(平井武・山下博)を読み始めました。

表現論入門セミナー―具体例から最先端にむかって

表現論入門セミナー―具体例から最先端にむかって

私が学生時代に専門にしていたリー群の表現論について書かれた本で、物理との関係についても触れられています。

Twitterを通じて表現論と物理の関係に興味を持ち、この本を読み始めました。

自分の頭の中を整理することを目的として、読書メモを書いていこうと思います。

まずは第1章の§1.1~§1.3にあたる内容をまとめます。

置換群の復習

 n 次対称群  \mathfrak{S}_n の性質についての復習(§1.1.1)

  • 巡回置換
  • 互換
  • 単純置換(互換のうち、  (i \ \ i+1) で表せるもの)
  • 偶置換と奇置換
  • すべての偶置換を集めた  n交代群  \mathfrak{A}_n

 \mathfrak{S}_n \mathfrak{A}_n の生成元系

  • 自由群と基本関係式の復習(定理1.1)
  •  \mathfrak{S}_n の生成元系の具体的表示(定理1.1)
  •  \mathfrak{A}_n の生成元系の具体的表示(問題1.3、問題1.4、定理1.3)

置換群の例と関係する話題

 \mathfrak{S}_n \mathfrak{A}_n の表現群

※表現群の定義は次回に説明する。元の群を大きくして表現を拡張するようなイメージ。

  •  \mathfrak{S}_n の表現群:§1.2.4
    •  n=6 は例外(§1.3.1)
  •  \mathfrak{A}_n の表現群:§1.3.2
    •  n=6,7 は例外

本文中に  l 重の被覆群という用語が出てくるが、詳細な定義は後の章で述べられる。

外部自己同型群

 G の外部自己同型群の定義が書かれていなかったので、ここにメモしておく。

  • 自己同型群  \mathrm{Aut}(G)
    •  G から  G への群同型全体
  • 内部自己同型群  \mathrm{Int}(G) *3
    •  g \in G が引き起こす自己同型  \iota_{g} (h) := g h g^{-1} \ (h \in G) (内部自己同型)の全体
  • 外部自己同型群  \mathrm{Out}(G)
    •  \mathrm{Out}(G) := \mathrm{Aut}(G) / \mathrm{Int}(G)

次回以降:多面体群の置換表現

置換群の一例として、§1.4~§1.5に多面体群の置換表現が書かれています。

次回以降でまとめる予定です。

*1:15パズルは 数学セミナー 2017年 10 月号 32ページにも記載あり。参考: 「数学セミナー 2017年10月号」の読書メモ ~ その2 - 7931のあたまんなか

*2:難しくて読み切れなかったが、基本群との関係が気になる。

*3: \mathrm{Inn}(G) と書いた本もある。

2乗すると -I になる行列 ~ 『数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』読書メモ

数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』を読みました。

次の記事にも書きましたが、大学で線形代数を学ぶ人にとっては絶好の入門書です。

wed7931.hatenablog.com


この本の第3章では、実数を成分にもつ2×2行列で2乗して  -I I単位行列) になる虚数単位のような行列  J について書かれています。

このような行列について、いろいろと自由に考えたことをまとめておきます。 *1

行列  J の成分表示

このような行列  J の成分表示について、119ページに以下のように書かれています。

解答3-1虚数単位  i に類似した行列)
成分がすべて実数の2×2行列  J で、  a を実数、  b を0以外の実数として、  J= \begin{pmatrix} a & b \\ -\frac{a^2 + 1}{b} &  -a \end{pmatrix} とすれば、  J^2 = -I を満たす。ただし、  I= \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 &  1 \end{pmatrix} とする。

証明は3.8節にあります。

 J を累乗すると、  J^0 = I, \ J^1=J, \ J^2=-I, \ J^3=-J, \ J^4=I となり、確かに虚数単位に似ています。

 a=0, \ b=-1 とすると、  J \begin{pmatrix} 0 & -1 \\ 1 &  0 \end{pmatrix} (以下、この行列を  J_0 と置きます)と書けます。

 a, \ b に他の値を代入してみる。

 a=1, \ b=1 を代入すると、  J \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ -2 &  -1 \end{pmatrix} と書けます。 *2

この行列を  I J_0 の一次結合で書けないかを考えてみました。

つまり、  \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ -2 &  -1 \end{pmatrix} = pI + q J_0 となる実数  p, q が存在するかを調べます。

右辺を具体的に成分表示して比較すると、このような  p, q存在しないことがわかります。

一方、  J_0 = 0 \cdot I + 1 \cdot J_0 が成り立ちます。

ということは、  a, \ b の値によっては  J I J_0一次結合で書けない場合があることがわかります。 *3

それでは、 I J_0 の一次結合で書ける  J はどのようなものでしょうか。

 I J_0 は一次独立か?

その前に、 I J_0 は一次独立かを調べてみます。 *4

実数  p, \ q について、  (*) \  pI + q J_0 = O であるとします。

行列成分を書き下して連立方程式を解く証明方法もありますが、ここでは行列成分に頼らない方法で証明します。 *5

 (*) J_0 を掛けて両辺を -1 倍すると、  (**) \ qI - pJ_0 = O となります。

 (*) \times q - (**) \times p を計算すると、  (p^2 + q^2) J_0 = O

両辺に  -J_0 を掛けると  (p^2 + q^2) I = O で、  p^2 + q^2 = 0 から  p=q=0 が得られます。

したがって、  I J_0一次独立であることがわかりました。 *6

 I J_0 の一次結合で書ける  J

元の話に戻って、 I J_0 の一次結合で書ける  J がどのようなものかを考えてみます。

 J = \begin{pmatrix} a & b \\ -\frac{a^2 + 1}{b} &  -a \end{pmatrix} a, \ b は実数で  b \neq 0 )として、実数  p, \ q を使って  J=pI + q J_0 と書けたとします。

行列成分で書き下して計算すると、  (a,b,p,q) = (0, \pm 1 , 0 , \mp 1) のとき、つまり  J = \pm J_0 のときに限ることがわかります。 *7

おわりに

この記事では一次結合という視点で  I J を見てみました。

他にどのような視点での考察があるか。時間があれば調べてみようと思います。

*1:研究問題 3-X1を解いている形です。

*2:研究問題 4-X5では、  a=1, \ b=1 を代入してみよという問題が提示されています。

*3: J の一般形に2乗や分数があることから、もっとスマートに言えるかもしれません。

*4:研究問題 3-X6に提示されています。

*5:つまり、一般の  n \times n 行列で使える方法です。

*6:一般の  J についても、  I J が一次独立であることがわかります(  b \neq 0 に注意して計算する)。したがって、2×2の実行列全体のベクトル空間  M_2(\mathbb{R}) の中の  I J が張る部分空間  \mathrm{Span}_{\mathbb{R}}(I, J) は2次元です。

*7:計算の中で  a^2 - b^2 = \pm 1 という式が見え隠れします。双曲線と何か関係があるんでしょうか?

息子に算数を教えて気付いたことのメモ

息子は小学4年生で、算数のテーマもだんだん難しくなってきています。

割る数が2桁以上の割り算、四捨五入などの概数、加減乗除とかっこが混じった計算の順序など。


単元ごとのテストの点数が気になり、息子と一緒にテスト問題の解き直しをしました。

学校はテスト返却後の解説が十分に行われていないようで、私が不安を感じたというのも解き直しを始めたきっかけのひとつです。

これを通して気付いたことがいくつかあったので、メモしておこうと思います。

解き直しに過度な負担をかけないようにする。

息子に過度の負担をかけずに飽きさせないために、私がペンでノートに問題を書き写して、息子が回答するのを横で見ます。

わからなそうならヒントを出します。

問題が問うていることを説明する。

横で見ていると、ゆっくりながらも正しく解ける問題が多いことがわかりました。

わからない問題でも、問題が問うていることを説明すると、ペンが動き出したりします。

図や途中計算を積極的に書こう!

一番感心したのは、自分から進んで、ノートの余白に図を描いたり途中計算をしていたところです。

でも、返却されたテストには図や途中計算をした形跡があまりありません。

聞いてみると、「テストの余白に、図を描くと注意されると思っていた」とのこと。

なので、図を描くのは問題ないこと(むしろ積極的に書こう!)を教えました。

もし注意されたら、学校に文句を言うくらいの気持ちはあります。

速く解くより、自分で考えて手を動かして解くことが大事

自分と同じような性質を受け継いだのか、速く解けるタイプではないようです。

じっくり考えて、たくさん手を動かして解くタイプです。

速く解いてほしい!という思いはありますが、まずはよく考えて手を動かすことを大事にしたいと思っています。

もし速さを求めるなら、途中計算を頭の中だけで考えずに紙に書いてみることが一つの手段かと思います。

細かいことだと、割る数が2桁以上の割り算では商の見積もりが大事であり難しいですが、見当をつけたらまずは計算をして見当のあたり/はずれを確認するということも大事です。

問題文を声に出して読む。

以前、Twitterにも書きましたが、問題文を声に出して読むこともとても大事です。

親としてはあせらないのが大事?

親としてはあせっていろいろ教え込みたいと思いますが、子どものペースに合わせてあせらずに対応するのが大事な気がします。

特集「すごい定義」~『数学セミナー 2018年11月号』読書メモ

数学セミナー 2018年11月号』の特集は「すごい定義」です。

数学で登場するいろいろな概念とそれを規定する定義について、生み出される歴史具体例からの一般化の側面から説明されています。

関数の連続性

関数の連続性は、現在はε-δ式で厳密性をもって定義されます。

その厳密性が、歴史的にどのように導かれたかについて説明されています。

ポイントは次の2点です。

  • そもそも、関数はどのように定義されてきたか?
  • 中間値の定理がどのように扱われてきたか?

後半に出てくる次の言葉が非常に印象的です。

ボルツァーノ以前の解析学等式の数学が支配的であったが,彼とコーシー以降は不等式のアートが支配的になっていたというのは言い過ぎであろうか.(『数学セミナー 2018年11月号』12ページより)

行列の概念をめぐって

行列の定義に始まり、一次方程式との関係や線形写像の表現行列へと話が進んでいきます。

図像的表示に依拠する  (m,n) 型行列  (a_{ij}) を、  mn 個の数  a_{ij}順序付けられた組  (a_{ij}) とみなす見方は、改めて指摘されるとなるほどと感じました。

後半は、群や環などの代数系を具体的に表現する手段としての行列についてのお話です。

具体的な例として4元数が出てきて、量子力学との関係が簡単に述べられています。

自分が現在勉強中の表現論 *1 との関係として、次のことが書かれていて気になっています。

イデアルの秘密に迫る

前半は環  Rイデアル  I の定義が、剰余環  R/I の乗法の定義にどのように”効いて”いるかが説明されています。

後半はイデアルが生まれた歴史的経緯について、次の2つの観点から述べられています。

  •  \mathbb{Z} [ \sqrt{-1} ]  \mathbb{Z} [ 5 ] での素因数分解とその一意性の有無
  • クンマーの理想数が満たす性質と現在のイデアルの定義が類似していること

多様体

導入では、微分積分学の基本定理多様体上で定義された微分形式が満たす一般化されたストークスの定理の関係がざっと説明されています。

その後、球面とトーラスを  xyz 座標と極座標2種類で表示できることを計算し、多様体の定義(後述)が(1)~(3)で定められているのが自然であることが書かれています。個人的には、非常に納得感がある説明でした。


定義 位相空間  M が次の条件(1)~(3)を満たすとき、  M n 次元  C^{\infty}微分可能多様体という:
(1)  M はハウスドルフ位相空間である。
(2)  M の任意の点  p に対して、  p を含む開集合  U_p と1対1写像  \varphi_p: U_p \to \mathbb{R}^n が存在して、  \varphi_p U_p から  \varphi (U_p) への同相写像となる。
(3)  U_p \cap U_q \neq \emptyset のとき、  \varphi_q \circ  \varphi_p^{-1} : \varphi_p(U_p \cap U_q) \to \varphi_q(U_p \cap U_q)  \mathbb{R}^n の開集合間の  C^{\infty}写像である。

後半は、エキゾチック球面、リーマン多様体 *4 、位相不変量などについて書かれています。

1936年の奇跡 ― チューリング機械の誕生

計算とは何か、そして計算可能であるとはどういうことかから始まります。

計算可能であることについて、再帰的関数λ計算チューリング機械の3つの側面から説明されています。この3つはすべて同値であることがわかります。

計算可能であることの定義として、チャーチ-チューリングの提唱「計算可能であるとは、チューリング機械で計算可能なことである」が述べられています。(「提唱」という言葉が使われていることに注意。)

後半では、チューリング機械で計算可能であることであるとはどういうことかを掘り下げています。

ポイントになるのは次の点です。

  • (1) 入力する値によっては、出力を持たない場合がありうる関数(部分関数)
    • 例1:計算プログラムが停止せずに出力がない。
    • 例2:計算プログラム内の再帰関数が同じ値を無限に繰り返し出力し続ける。
  • (2) 計算可能な関数は自然数でコード化できる。

(2)については、数学ガールゲーデル不完全性定理に出てくるゲーデル数と関係があるのではないかと思っています。(正確には理解できていません…)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

また、計算機という実体がない時代に、チューリング機械という現在の計算機のベースとなる考え方が出されているのも驚きです。

これについては、『数学する身体』の第二章にも書かれています。

数学する身体 (新潮文庫)

数学する身体 (新潮文庫)

*1:『表現論入門セミナー』で勉強中です。

表現論入門セミナー―具体例から最先端にむかって

表現論入門セミナー―具体例から最先端にむかって

*2:位置、運動量、角運動量、エネルギーなど

*3:一般的には、  h_1 = \mathbf{i}, \ h_2 = \mathbf{j}, \ h_3 = \mathbf{k} と書かれるものです。

*4:本文では、微分可能多様体上の曲線の長さが接ベクトルの大きさの積分で計算できることと書かれています。

noteをはじめました。

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今のところ、ブログは数学関係と読書メモ、noteはそれ以外という棲み分けを考えています。
やっていきながら、変わることがあるかもしれませんが。

ブログとあわせてnoteもよろしくお願いします!

『数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』のレビューを担当しました!

結城浩さん@hyuki)の著書数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』が2018年10月に刊行されました。

レビューを担当しました!

このたび、執筆中の原稿を読ませていただいて感想や意見をお伝えするレビュアーを担当させていただきました!


私が最も好きな著者のまだ世に出ていない本の原稿を読ませていただくという、貴重であり少し不思議でもある体験をさせていただきました。

この本の発行に、少しでも力になっていればうれしいです。

そして、私をレビュアーに選んでいただいた結城浩さんには感謝の気持ちでいっぱいです!

初めて献本していただきました!

そして、刊行されたばかりの本が出版社より贈られてきました!

私にとって、初めて献本いただく本です。

あとがきには、私の名前も載せていただきました。

また、結城さんのサイン入りです。

この本は自分にとっての宝物なので、保存用としてカバーをかけて保管しておこうと思います。読む用はAmazonで予約済みです。


「行列」の最適な入門書

この本についての自分の経験はさておき、内容についても触れておこうと思います。

一言でいうと、行列の最適な入門書であると思います。


行列は、高校数学の指導要領から消えたり現れたりを繰り返し、2010年代の高校生の大半は学習していません。

一方で、大学1年で数学を学ぶときには必ず行列が出てきます。

行列は、高校までの数学の常識を超える”数”といえるので、扱うためにはある程度の構えが必要になります。

私は高校で行列を学んだ世代なので、行列への構えができた状態で大学数学に臨めましたが、もし行列を知らずに大学数学に入り込めたかというと自信はありません。


この本には行列への構えをするために必要なことが詳しく書かれていますし、この本を読めば大学数学にスムーズに入っていけると思います。

このような意味で、大学1年の講義が始まる前に読んでおくのに最適な行列の入門書です。