現場復帰への活動が参考になる ~ 『うつ病九段』読書メモ
うつ病患者の一人として、とても気になり手に取ってみました。
- 作者: 先崎学
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/07/13
- メディア: 単行本
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なぜこの本が気になったか?
「自分がしていた仕事と似ている部分が多いのでは?」と直観的に思ったのが、この本が気になった理由です。
著者の先崎さんはプロ棋士。
頭をフル回転させて対局をこなすことはもちろん、将棋界の発展のための活動もされていました。
自分の休職前の仕事はシステムインフラの設計とプロジェクト管理。
システムインフラの設計には技術力が不可欠で、技術力を日々磨いて実際の業務システムに適用するため、頭を使う業務です。
設計業務と並行して、複数のプロジェクトのマネジメントをしていました。
こちらもマネジメントスキルという技術を持って、複数の関係者との調整をはじめとする人間対人間のかなり泥臭い業務をこなします。
ひとことで言えば、プレイングマネージャーとしての活躍が求められる立場です。
頭を使う仕事と人を動かす仕事を両立させている中で精神的に参ってしまったというのが共通しているように思えました。
初期症状と回復に向かう過程での症状が似ている
この本を読むと、先崎さんと私の初期症状と回復に向かう過程がとても似ていることに気付きました。
入院有無の違いは大きな違いですが、それ以外は似ているところが多くありました。
これに気付いて、この本にどんどん引き込まれました。
ちなみに、31ページに書かれている先崎さんの経験は非常に共感しました。うつ病あるあるなのかもしれません。
先崎さんの現場復帰の過程はリワークそのもの?
現時点(2018年10月時点)の私の目標は、職場復帰に向けてリワークの通所を始めることです。
リワークとは、精神疾患により休職している人の職場復帰に向けたトレーニングを指します。
いろいろな形態がありますが、私が通所を目指しているリワークでは、平日週5日で施設に通い(通勤トレーニング)、疑似的な職場での業務を行います。復職や再発防止に向けた自己分析のようなカリキュラムなども含まれます。
先崎さんは、仲間と将棋を打ったり、多くの人がいる場に顔を出すなどして、徐々に現場復帰に向けた活動を進めました。
その結果、約1年の休養を経て、現場復帰されています。
この過程が、サラリーマンの私にとってのリワークそのものだと感じました。
それでは、
- 自分はどのような心構えでリワークに臨むか?
- もう少し先を見て、復職~再発防止に向けてどう活動するか?
を、先崎さんの活動と対応付けて考えようと考えるようになりました。
この本の後半の復帰過程についてはメモを取り、自分なら何をするかを考えながら読みました。
中間管理職の人におすすめの本
私と同じように、中間管理職でプレイングマネージャーとして活動している中で精神的に疲れてしまった人におすすめの本です。
私はまだ現場復帰の途中ですが、この本のことをたまに思い起こしながら活動していきたいと思います。
外向きの評価と内向きの評価の変化
2018年9月4日発行の結城浩さん(@hyuki)のメルマガで、外向きの評価と内向きの評価について書かれていました。
これがとても印象的でこのようなツイートをしました。
結城浩メルマガ感想。「外向き/内向きの評価」が胸に刺さった。学生時代は内向きの評価だけでよかったが、社会人になって外向きの評価を気にするようになった。それも急激に。自分はこれにうまく対応できなかったのかな。
— 7931 (@wed7931) September 4, 2018
結城浩メルマガ 2018/9/4 Vol.336|note(ノート) https://t.co/O3FTXO65dg pic.twitter.com/2CPuWmM1ga
この外向き/内向きの評価の図をもう少し細かく書いてみました。自分の経験をモデルに書いています。
内向きの評価が小さくなって、外向きの評価が急激に大きくなったことに、自分が耐えられなかったのかなということが見えてきました。
自分の状況を図や表にまとめると、自分のことがよく理解できるような気がします。
方向転換を決断した人には、いつも「うらやましい」と言っている。
自宅の本棚にあった『こんなツレでごめんなさい』(望月昭 著)を読んで、ブクログにこんなレビューを書いた。
1回目はうつ病になる前に、『ツレうつ』を読んだ後。
2回目はうつ病で休職して復帰を目指している今の段階。
ツレさんと自分は、症状は半分くらいは似ていると思う。
他に本で読んだうつ病経験者とは、症状の共通点が少ない方だと思う。
ツレさんは環境をガラッと変えることで物事が良い方に進んでいっているという印象を持っている。
その方向転換をする勇気と決断力を持っているのが素晴らしいと思う。
逆に、自分はそのような方向転換をするほどの気持ちを持てていない。
方向転換をしようにも、どこに転換すればいいか、転換して進んでいいものかを考えて尻込みしてしまう。
自分もこのような気持ちがほしい。
これを書いて思ったのが、自分は方向転換を決断した人には、いつも「うらやましい」と言っているということ。
自分の周りには、方向転換をした人がたくさんいる。例えば…
- 新卒で就職した会社を退職して、別の会社に就職した人
- 高校を中退して、専門学校に通って理容師になった人
- 大学院の博士課程を中退して研究者をあきらめ、一般企業に就職した人
- 自衛官を辞めて、別の種類の公務員になった人
- 育児に専念するために退職した人
こういう人と話すときには、いつも「決断ができて、うらやましい」と言っている。
それでは、自分はどうか。
体調がどうにもならなくて休職をするという選択はした。
これをある路線の駅で停車していると例えると、前述の方向転換した人は別の路線に乗り替わったと言える。
ここまでの決断はできていない。
「うらやましい」という言葉が口をついて出るということは、やはり方向転換をしたいということなんだろうか。
現在は休職中で、時間はある。
これからの人生の進め方をゆっくり考えたい。
ちなみに、この記事を書いている日に放送されたNHK朝ドラ『半分、青い』では、ヒロインの親友である律が退職届を出したシーンがあり、心が動かされた。
これ以外にも『半分、青い』では、今の自分の胸に刺さるセリフが多い。
「人生のイニシアチブは自分でとる」。
— 7931 (@wed7931) June 25, 2018
自分はそうしたいタイプで、生まれてからそうしてきたけど、いつの間にかイニシアチブがとれていなかった。
それは苦しくなるわけだ。
これからはもう一度、イニシアチブをとれるようにしたい。#半分青い
「自分で考えちゃダメなのか」
— 7931 (@wed7931) July 20, 2018
「考えたい」
「私の空はどこだ」
「潮時かなって」
鈴愛の言葉のひとつひとつが、今の自分に刺さる。#半分青い
#半分青い
— 7931 (@wed7931) August 23, 2018
律が自分に重なって見える。
ドラマでの律の年齢と今の自分の年齢がほぼ同じだから余計に。 https://t.co/dNeLoee4B0
北海道新聞のコラム『卓上四季』。
— 7931 (@wed7931) August 24, 2018
清が律に言った「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」、
鈴愛の「この世は両耳聞こえる人用にできとる。私のためにはできとらん」が紹介されている。
どちらも自分が気に入っているセリフ。 #半分青い
半分、青い:北海道新聞 https://t.co/g6are6VIYY
・律は看板に守られて生きてきた。
— 7931 (@wed7931) September 7, 2018
・律は精神的に弱いところがある。
うん。
やっぱり、律は自分なんじゃないか。#半分青い
これがしたいはなかった。
— 7931 (@wed7931) September 9, 2018
これは嫌だはあった。#半分青い
この朝ドラに自分が動かされそうな気がしている。
きたみりゅうじ『人生って、大人になってからがやたら長い』読書メモ
書店に行くと、コミックエッセイの書棚をよくチェックします。 *1
そのときにタイトルを見て、「これだ!」と直感的に思って買ったのがこの本、きたみりゅうじさんの『人生って、大人になってからがやたらと長い』です。
- 作者: きたみりゅうじ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/10/10
- メディア: 単行本
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きたみさんは、大学卒業後にプログラマとして就職し、2度の転職を経て、フリーランスとなった方です。
そして本文によると、20代で結婚して、2人のお子さんがいて、マイホームを購入したそうです。
転職とフリーになったことを除くと、私とほぼ同じプロフィールです。
さらに、私が住んでいる町の近隣にいらっしゃるんじゃないかと読み取れました。
そのせいか、共感できるところが多く、感情移入しすぎて涙が出そうなところもありました。
印象的な言葉やシーン
印象的な言葉やシーンがいくつかあったのでメモしておきます。
冒頭に何度か出てくる「勤めあげる」という言葉
住宅ローンが通って、「ほんとに買うことになっちゃったよ!」とビビる。
正解を知らなくてもスタスタと歩いていくことができる。それこそが「大人」なのかもしれない。
インプットとアウトプットのバランスが大事
時は金なり、逆も真なり
自分たちはそろそろ人生の前半戦を終えようとしているのかもしれない。
『死ぬ辞め』に通じる部分が多い?
この本の前半部分は特に、汐街コナさんの『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』に通じる部分が多いと感じました。
『死ぬ辞め』については、過去にこのブログで触れています。
身体は大人になっても、心は子どものままなんだな。
自分や同世代の人を見ていて、うすうすとは感じていましたが、やっぱり「身体は大人になっても、心は子どものままなんだな」ということを改めて感じました。
その状態でどう大人の世界を生きていくかを考え続けるんだろうなと思います。
*1:以前に同じような出だしの記事を書いた気がします。
「うんうん」と、うなずきながら見れる/聴ける番組3つ
自分はものごとを深く考えて、悩みを自分の中に抱えて解決しようとする性格かなと思っています。
それゆえ、そもそもどういうことなの?とか、今後どのように生きるか?とか、非常に根本的なことがとても気になります。
気になることがあったとき、自分の中に抱え込みすぎるとよくないことがわかったので、紙やTwitterやブログに書き出して思考を整理することを意識しています。
こうすることで、頭の中がすっきりすることが多いです。
そしてもうひとつ、頭の中をすっきりさせるためにやっていることがあることに気付きました。
「うんうん」とうなずきながら、自分と同じような考えをする人の話を聞くということです。
Face to Faceで話を聞くだけでなく、テレビやラジオの番組から話を聞くことをしているなと思いました。
そのために見たり聴いたりしている番組を3つご紹介します。
【目次】
「水曜どうでしょう」DVDの副音声
「水曜どうでしょう」は北海道テレビ(HTB)の人気番組で、30本近くのDVDが発売されています。
車を運転するときは、いつもこのDVDの副音声を聴いています。
副音声という名はついていますが、DVDの内容とは無関係に、ディレクター陣や出演者の考え方や生き方を話していることが多いです。
自分にとっては共感することが非常に多く、ブログにメモをして随時更新しています。
もちろん、主音声というか本編もおもしろいですよ!
「ゴリパラ見聞録」での一献
テレビ西日本(福岡県)の「ゴリパラ見聞録」は、ゴリけんとパラシュート部隊の3人が全国を旅する番組です。
1泊目の夜は一献と称して、お酒を飲みながらのタレント3人のトークが放送されます。
愚痴だったり、悩みだったり、それを話しながら号泣したりと、3人のそのままの姿が出ています。
この話の内容が自分と同じような考えや悩みのことがあり、心の中でうなずきながら見ています。
出演者と年齢が近いので、より共感することが多いんだと思います。
このブログでも一度記事を書きましたのでご覧ください。
私が書いた3種類の自分史
先日投稿された、Yuramakiさん(@YuramakiClay)の自分史に関する記事がとても印象に残りました。
というのも、精神的に参ってしまってから、自分のことを振り返るために自分史を書いていたからです。
自分史を書くことで、いろいろなことがわかりました。
自分史。私も最近書いていました。
— 7931 (@wed7931) June 7, 2018
・居心地がいいと感じるのはどういう状態か。
・自分が苦しくなるとき、考え方や環境にどんな変化があるか。
など、いろいろなことが整理できました。
それを踏まえて今後どう生きるかは、まだまだ模索中ですけど。 https://t.co/yiw9Uc2lzP
自分史を書いてみると、一本筋が見えますよね。よくわかります!
— 7931 (@wed7931) June 7, 2018
良くも悪くも、この一本筋はぶらせないし、自分の土台なんだなって思いました。 https://t.co/KK639ssl2r
自分史の中身を公開するのはやめておきますが、まとめた形式が3種類あるのでご紹介します。
出来事と感情をまとめた自分史
自分史というと、直感的に年表のようなものを想像するかもしれません。
私も最初はこれで書き始めましたが、なんとなくだるくなってしまって断念しました。
なので、このように書いてみるとすらすら書けました。
- 数年間を一区切りにする。
- 小学校時代や中学校時代のような学校を区切りにする。
- 社会人になってからは、「A事業部在籍中、B事業部在籍中」「管理職になる前/なった後」など。
- 区切りごとに印象的な出来事をいくつか書く。
- 出来事ごとに感じた感情を書き出す。
- 思い出すのが大変かもしれませんが…。
すると、自分の考え方の土台や繰り返している思考のくせがわかるようになりました。
これを受けて今後どう行動するかはこの先に考えることですが、このようなことがわかるのは大きな収穫だと思います。
気分のグラフ
上の図で見た通りです。有名人のグラフをテレビなどで見たことがあると思います。
上がり始めや下がり始めにあったイベントを書き込むと、いろいろなことがわかると思います。
趣味のグラフ
これは思いつきで書いたものです。
この図ではわかりづらいかもしれませんが、
- (1) ずっと続けている趣味
- (2) 一時中断しても、またやり始める趣味
- (3) ある期間しかやっていた趣味
がわかるかと思います。
(1)や(2)は自分の軸になるものと考えられるので、それをベースに今後のことを考えるということができるかもしれません。
このグラフがどれくらい利用できるかは、自分で書いておきながら模索中です…。
ストレスを減らしてみよう ~ 床屋さん編
昨日、37年の人生で初めて丸坊主にしてみました。
もともと丸坊主の息子たちを床屋に連れて行って、ついでに自分の髪も切ってもらうことにしました。
いつもは「こう切ってほしい」とあれこれ話しますが、どう話すかを考えるのがいつもストレスでした。
高校まで住んでいた実家の近くの床屋さんは、黙っていても切ってくれる感じだったでした。
しかし、学生になって実家を出ると、髪を切ってもらうというほぼ毎月の行事が大変でした。
まずはどの床屋に入るか?入ったらどうお願いするか?特にこだわりもないし、どうお願いすればいいか?そして天然パーマなので、どう切ってもらっても時間が経つと、気になる部分が増えてくる。かといって、床屋さんに頻繁に行くのは面倒だし、行ったらお願いする内容で悩むし…。
床屋さんをやっている叔父に相談したこともありました。
それくらい、床屋に行くということ自体がストレスでした。
そして昨日、丸坊主にすれば、「何mmのバリカンで刈ってください!」でストレートに伝えられる!と思って、思い切って丸坊主にしてみました。
この髪型は意外と快適です。家族は慣れない髪型に戸惑い気味ですが、そのうち慣れるでしょう。
これで長年のストレスが一つ解消できたかなと思っています。