7931のあたまんなか

日々考えること、読書メモ、数学、交通関係など。うつと生きる30代後半の男です。

『現代解析の基礎 直観⇔論理』読書メモ (第6章)

引き続き、『現代解析の基礎 直観⇔論理』(荷見守助・堀内利郎 著)を読んでいます。

現代解析の基礎―直観から論理へ 論理から直観へ

現代解析の基礎―直観から論理へ 論理から直観へ

前回は1変数関数の積分

前回は、第5章(1変数関数の積分)の読書メモを書きました。

wed7931.hatenablog.com

今回のメインテーマは級数

今回は第6章の読書メモです。
メインテーマは級数ですが、数列や実数論も含みます。
大学2年前期に講義を受けましたが、積分と同じくあまり理解が進みませんでした。
当時習った内容かもしれませんが、新しい発見がたくさんあるように思えました。

第6章 - 級数

数列
  • 前章までは数列の収束を直感的に定義していたが、ここで初めてε-N論法での定義が書かれている。
  • その後にコーシー列の定義が出てきて、「実数列が収束するための必要十分条件はそれがコーシー列であることである」ことが述べられている。
  • 数列の上極限と下極限(limsupとliminf)と収束の関係、それをもとに「 a_n \to \alpha \Rightarrow \frac{a_1+ \cdots + a_n}{n} \to \alpha」などが示されている。
    • limsupとliminfの定義は完全に忘れていました…。
級数
  • 有名な定理だが、印象に残った定理を列挙する。
    • ディリクレ級数  \sum_{n=1}^{\infty} n^{-s} \ (s>0) は、 s>1のとき収束し、 0 < s \leq 1 のとき発散する。(なお、 s=1 のとき調和級数という)
    • 正項級数の和は(収束発散を込めて)項の順序を変更しても変わらない。
    • 級数が絶対収束すれば、項の順序を変更して得られる級数も(絶対)収束し、その和は等しい。
    • 級数が条件収束するならば、項の順序を適当に変更することにより、任意の実数( \pm \inftyも含む)に収束させることができる。
  • 最後に、無限乗積  \prod_{n=1}^{\infty} p_n \ (p_n \neq 0) の収束・発散について書かれている。
    • 無限乗積を詳しく知ったのはこれが初めて。
  • 演習問題には、シュワルツの不等式、ヘルダーの不等式、ミンコフスキーの不等式の証明問題がある。
関数項級数、べき級数展開、テイラー展開
  • 各点収束と一様収束、収束域と収束半径の定義が出てくる。
  • 連続性と一様収束性の関係がポイント?そして、証明の中にliminfがよく出てくる。
  • 最後に、 (1+x)^{\alpha} \ (0 < \alpha < 1) のマクローリン級数展開と収束域が議論されている。いろいろな剰余項の評価や無限乗積の利用などこれまでの知見をフルに利用している。
カントールの実数論
  • コーシー列の概念を用いる「カントールの実数論」が説明されている。具体的には、以下のように数の範囲を広げていく。
    • 自然数ペアノの公理により構成
    • 整数:自然数の順序対を利用して、新しい数(0または負の数)を導入
    • 有理数:整数の順序対を利用して、新しい数(分数)を導入
    • 実数:有理数からなるコーシー列全体を同値関係(有理コーシー列の差が0に収束する)で割ることで構成
  • アルキメデスの公理、区間縮小法の原理、実数全体が非可算であることの証明が述べられている。

まとめ

自分の理解が追いついていない内容なので、長くなってしまいました。
時間を見つけて、演習問題を解いてみようかと思います。

次は最後の章、2変数関数の微分積分です。
1変数の微積分の内容だけでは太刀打ちできないと思いますので、その都度、必要なことを調べながらゆっくり読んでいくつもりです。