うつ病による2回目の休職が始まって約半年。
精神的にようやく復調してきて、書店や図書館に足を運ぶことが多くなりました。
地元の図書館に行ったとき、普段は見ないような書棚を眺めていると、この本が目に入ってきました。
前からちょっと気になっていた、丸岡いずみさんの『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』です。
- 作者: 丸岡いずみ
- 出版社/メーカー: 主婦と生活社
- 発売日: 2013/09/28
- メディア: Kindle版
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丸岡さんといえば、日本テレビのニュースキャスターというイメージを持つ方が多いと思います。
北海道出身の自分は、「UHB(北海道文化放送)のアナウンサーだった人」というのがやはり印象的です。(この本に出てくる「オモシロガールズ」が懐かしい!)
この本には、北海道でのアナウンサー生活から始まって、日本テレビでお仕事をしている際にうつ病を発症したこと、そしてうつ病とどう付き合うかが書かれています。
初めて読んだうつ病経験者のエッセイ
これまでに自分の病気を知りたくて、「うつ病とは何か」というような解説本や「回復に向けての過ごし方」という本は何冊か読みました。
また、細川貂々さんの『ツレがうつになりまして。』や田中圭一さんの『うつヌケ』などの体験談のコミックエッセイは読んでいましたが、文字で書かれたエッセイを読むのは初めてです。
ある程度回復してきて、これからどう生きていくかを考える余裕が出てきて、他の方の経験を知りたいと思い始めています。
自分と似ているところがたくさんあった
自分とは職種や有名度合いはもちろん違いますが、よく似ていると思うことがたくさんありました。
例えば、このようなことがあります。
うつ病になる前は…
- 小さいときから、苦手なことについてはとことんがんばれない。できないことをできるようにしようとは思わない。
- もともとの性格は深く思い悩まない。つらいことがあっても、その日のうちか寝れば解消できる。だから、「うつ病とは無縁」だと思っていた。
体調がおかしくなると…
- 忙しくて寝る暇がなくて、「この生活はいつまで続くんだろう?正直、もたないな」と思うようになる。
- 夜眠れない。お腹が空かない。イライラする。
- 自分はこれに加えて、頭痛と吐き気がひどかった。
うつ病を発症すると…
- ひとつの場所にじっとしていられず、ソワソワする。
- 音や光に過敏になる。
- ネガティブな思考がグルグルと頭に浮かんでくる。
- 死んだ方がましかもと思う。
丸岡さんは環境を変えられたのがすごい
もちろん自分とは違うところもありました。
丸岡さんが自分といちばん違うのは、転職や異動などを通じて、自分が置かれる環境を主体的に変えられたことです。
自分は「環境を変える」ことを主体的にできなかった。
例えば、学生時代は、中学校卒業から高校入学のように、自分の意志とはほぼ無関係に自動的に環境が変わります。
もし、中学校が大好きでも3年経てば、卒業して強制的に学校から出される。
一方、中学校が大嫌いでも3年我慢すれば、卒業して新しい高校や社会という環境に向かえる。
ただ、就職をすると、環境は基本的に自分で変える必要があります。
数年おきに転勤がある一部の公務員の方はいますが、それでも学生のときのように流されずに、自分の意志は必要だと思います。
自分には、この意志や意識が希薄だったと思っています。
うつ病と付き合うための心がけ
これについては、印象に残った言葉をリストします。
自分なりにもこのような心がけを作れればと思います。
- 「順風満帆な思い通りの人生を歩んでいる人」という自分像を壊さないようにしていたことが無自覚のストレスだったのかもしれない。
- 世間の物差しよりも、自分の物差しで生きる。
- 日々の生活で自然とのつながりを持つ。
- 「いつかは終わる」を意識する。
おわりに:経験者の声をもっと知りたい
丸岡さんの『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』を読んで、他の体験記をもっと読んでみたいと思うようになりました。
やはり、経験者の言葉はとても重いです。