ホモロジーがおもしろかった!(前編)/『数学セミナー 2017年12月号』読書メモ
『数学セミナー 2017年12月号』の特集は「ホモロジーがおもしろい!」でした。
数学セミナー 2017年12月号 674号ホモロジーがおもしろい!
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: 雑誌
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学生時代にホモロジー論の講義を受けましたが、あまりにも理解できずに途中で脱落しました。知っていることは、アーベル群の知識を使うことくらい。断片的すぎますね。
ですが、この特集を読んで、ホモロジーってこういうものだったんだ!とわかり、知識が増えてうれしくなりました。
この記事では、自分が理解した内容をメモしていきます。
ホモロジーでは「図形のつながり方」を調べる
高校までのユークリッド幾何学では、合同や相似によって変わらない図形の性質(長さ、面積、角度など)を調べました。
もう1つの幾何学の分野である位相幾何学(トポロジー)では、図形をゴム膜のようにぐにゃぐにゃと変形したときに保たれる図形の性質を調べます。
その性質の1つが「図形のつながり方」です。
例えば、「輪ゴム」をぐにゃぐにゃと変形させても「1本のゴム紐」にはならないので、位相幾何学ではこの2つは別の物と考えます。
「球面」と「ドーナツの表面」(数学ではトーラスという)も別の物です。
これをもう少し進めて、
- 輪ゴムにはさみを入れて、チョキンと切る
- 球面にはさみを入れて、ぐるっと一回りの線(閉曲線)でチョキチョキと切る
という作業をして、
- つながったままか
- 2つの部分に分かれてバラバラになるか
を調べることにします。
よく調べてみると、
- 球面は、どんな閉曲線で切ってもバラバラになる
- トーラスは、閉曲線の取り方によって、つながったままか、バラバラになるかが変わる
ことがわかります。
このように、与えられた図形にはさみを入れてもつながったままの状態になる閉曲線の取り方が本質的に何本あるか?を、図形のつながり方を表していると考えて調べるのがホモロジー論のスタートです。
なお、ここまでの内容については、佐野さんが以下のブログでわかりやすく書かれていますので、ぜひご覧ください。