ホモロジーがおもしろかった!(後編)/『数学セミナー 2017年12月号』読書メモ
『数学セミナー 2017年12月号』のホモロジーに関する特集についての読書メモの後編です。
数学セミナー 2017年12月号 674号
ホモロジーがおもしろい!
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: 雑誌
前編では、以下の内容を説明しました。
この記事では、印象に残ったホモロジーの応用例(ホモロジーを使ってデータの形を捉える)についてを中心に、自分が理解した内容を説明します。
ホモロジーを使ってデータの形を捉える
データの形をとらえる1つの方法は相関関係
例えば、2次元のデータをxy平面に散布図としてプロットして、データがどのように分布しているかを調べることを考えます。
1つの調べ方として、相関関係を調べるという方法があります。
プロットされたデータの「見た目」で、正もしくは負の相関がありそう、もしくは相関がなさそうということがわかります。
数学的に判断しようとすると、相関係数を計算してすることになります。
(※データ分析は得意ではないので、正しくないかもしれませんが…)
相関関係以外のデータの形を数学的にとらえる
「見た目」ということに着目すると、
- データがいくつかのかたまりに分かれている。
- データが円状に分布している。
など、相関関係や相関係数という概念では表現できないことがあります。
このような分布を数学的に分析できるようにするために、パーシステントホモロジーという概念を使います。
データを膨らませてみる
パーシステントホモロジーのアイディアは、プロットされた各点にある半径の球rを描き、データを「膨らませる」ことです。
rが十分小さいと、元のプロットしたデータを見ているのと変わりません。
rを徐々に大きくすると、データ間がつながってきます。
rを十分大きくすると、すべてのデータがつながった状態になります。
【ここからは、自分はよくわかっていません】
このrの増大列に応じて、データのつながりを示すČech(チェック)複体と呼ばれる単体複体の増大列(フィルトレーション)が得られます。
フィルトレーションの一般論を用いて、パーシステントホモロジーを構成します。
これにより、rを大きくしてつながったデータによってできる「穴」の大きさがわかるということのようです。