数学に興味を持ったきっかけの1つとして、秋山仁先生について書きました。
ここでは、きっかけのもう1つについて書こうと思います。
それはフェルマーの最終定理です。
新聞で「フェルマーの最終定理」を知る
フェルマーの最終定理を初めて知ったのは、新聞の「フェルマーの最終定理が解決」という見出しの記事を読んだときです。
確か、中学生のころです。
驚いたのは、約350年間も未解決だった問題がようやく解けたということ。
そして、問題が中学生の自分でも理解できるほど簡単な内容だったことにさらに驚きました。
フェルマーの最終定理
を 以上の整数とする。このとき、 を満たす自然数の組 は存在しない。
当時、直角三角形の辺の長さがピタゴラスの定理(上の の場合)を満たすことや がそれを満たす自然数であることは知っていました。
なのに、 を 以上にしたとたんに、 が存在しなくなるのかというのが不思議だったことを覚えています。
前の記事で述べた秋山仁先生の番組を見ていたことも相まって、自分の数学への興味がどんどんわいてきました。
フェルマーの最終定理に関する本を読んだ
その後、高校~大学時代はフェルマーの最終定理に関する本を何冊か読みました。
これにより、フェルマーの最終定理を解決するための数学の道具が多岐にわたることを知ります。
特に印象に残っているのはこの2冊です。
天才数学者たちが挑んだ最大の難問―フェルマーの最終定理が解けるまで (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: アミール・D.アクゼル,Amir D. Aczel,吉永良正
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/09/01
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- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/05/30
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また、NHK教育テレビで、藤原正彦さんの『天才と栄光と挫折―数学者列伝』という番組がありました。
最終回がフェルマーの最終定理を解決したアンドリュー・ワイルズで、解決に至るまでが描かれていました。
なお、番組の内容は書籍化されています。
- 作者: 藤原正彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/09/03
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大学のゼミでフェルマーの最終定理の一端に触れる
大学1年のときにゼミ形式の講義があり、楕円曲線についての本を読みました。
楕円曲線はフェルマーの最終定理の証明でのキーになる概念です。
- 作者: J.H.シルヴァーマン,J.テイト,Jeseph H. Silverman,John Tate,足立恒雄,小松啓一,木田雅成,田谷久雄
- 出版社/メーカー: シュプリンガー・フェアラーク東京
- 発売日: 1995/11
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内容はさっぱりわかりませんでした。
無限遠点、楕円曲線上の点に演算を導入する…など、なんのこっちゃでした。
代数の基礎がわかっている今なら、もう少しわかると思いますが。
大学2年時は、初等整数論についての本を読みました。
(英語版の原著で、第2版だったかと思います)
はじめての数論 原著第3版 発見と証明の大航海‐ピタゴラスの定理から楕円曲線まで
- 作者: Joseph H. Silverman,鈴木治郎
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/05/13
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この本には、素因数分解の一意性、フェルマーの小定理、ピタゴラス数が無数にあることなどが書かれています。
そして、フェルマーの最終定理について、
- 小さい についての証明
- が素数の場合のみ証明できれば十分であること
が説明されていて、フェルマーの最終定理の一端に触れることができて、うれしかった思い出があります。
フェルマーの最終定理との再びの出会い
大学3年以降は、フェルマーの最終定理からはいったん離れて、当時興味があった偏微分方程式やLie群の表現論に進みました。
その後、Lie群の表現論で修士論文を書いて、一般企業に就職して数学からは離れることになりました。
そして、会社員生活に疲れが出てきたころに『数学ガール』シリーズに出会います。
(疲れてくると、数学をやりたくなる傾向があります…)
このシリーズの2巻目のテーマはフェルマーの最終定理。
10年ほど前に勉強していて忘れかけていた内容を振り返ることができ、とても印象的な本でした。
数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2008/07/30
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こういうふとしたタイミングで出会うこともあり、フェルマーの最終定理の新聞記事を最初に読んだことは今でも忘れられません。