3月に入りすでに最新号が出ましたが、『数学セミナー 2018年3月号』をじっくり読んでいます。
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2018/02/10
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る
先日は特集「フーリエ解析ことはじめ」の中の2つの記事について、読書メモを書きました。
今回は熊原啓作さんの「フーリエ級数とは」を読みました。
微分積分学(+ちょっとした線形代数学)の範囲内で、フーリエ級数を説明しています。
ここでは、自分が読んだ中でポイントであると理解した部分といくつかの補足をまとめます。
フーリエ級数の定義
周期 の周期関数 を考える。数列 と を次で定義する。
このとき、次の式の右辺にある形式的な無限級数を のフーリエ級数という。
右辺が収束し、その極限値が になるとは限らないので、両辺を ではなく で結んでいる。
区分的に滑らかな関数のフーリエ級数の収束
有限区間上で定義された関数 が次の条件を満たすとする。
- 高々有限個の点を除いて連続である。
- 不連続点 は第1種不連続点である。つまり、有限な右側極限値 と左側極限値 を持つ。
- 上記2つの性質を持つとき、 は区分的に連続であるという。
- は区分的に滑らかである。つまり、 も区分的に連続である。
が周期 の区分的に滑らかな周期関数のとき、そのフーリエ級数は に収束する(ディリクレの定理)。
したがって、連続点では に、不連続点ではギャップの中間点に収束する。