7931のあたまんなか

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数式を含む文を日本語でどう読むか

中学校や高校の数学の教科書には、こんな文が書かれています。*1

 a < b のとき、 a+c < b+c である。

この文を声に出して読むとしたら、どう読むでしょうか。

 x < y を「  x 小なり  y 」と読むとしたら、

 a 小なり  b のとき、 a+c 小なり  b+c である。

と読めます。

実際に、私が中学校で不等式を習ったときは*2、このような読み方を教わりました。高校まではこの読み方をよく聞きました。


しかし、この読み方は日本語としてやや不自然に思えます。そして、数学的な意味(この例では、数の大小関係)が直感的に伝わりにくい言い方です。

これを考慮すると、このような読み方をする方が自然です。

 a b より小さいとき、 a+c b+c より小さい。

意味が伝わりやすい言い方になりました。しかし、よく見るとあることに気付きます。

元の不等式を含む文から、「のとき」の「の」や文末の「である」が消えています。

このように消える文字があるので、この読み方ができるようになるには慣れが必要かもしれません。


数式もひとつの言葉と考えれば、日本語として自然で伝わりやすい後者の読み方をした方がよいのではないかと思います。

個人的に、最近は読解力が気になっています。

数式を含む文の読み方を工夫して、数学の教科書を自然な日本語で声に出して読めるようになれば、読解力が上がるのではないかと思っています。

wed7931.hatenablog.com

*1:厳密には、「任意の実数  c に対して」を書くべきですが、ここでは省略します。

*2:今は高校で不等式を習うようです。