- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/04/14
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
今回は第3章の読書メモです。
前回の第2章のメモはこちらです。
第3章のタイトルは「テトラちゃんの近くで」。数学の分野で言うと、位相空間論がテーマです。
個人的には、第2章までの位相幾何学よりもなじみがある分野なので、すんなり読むことができました。
【目次】
数式が出てこないのはやっぱり気になっていた
83ページに、第2章までのトポロジーの議論についてテトラちゃんの不安が書かれています。
「気になっているのは、数式が出てこない点です。絵を描いて終わりにしていいのかな、なんて」
(中略)
「数式が出てこないと、まちがったことをやっていないのかなと考えてしまうんです。伸ばしたらこうなりますね、貼り付けるとこうなりますね、数学なのに、それでいいんでしょうか。あたしは、まちがうのが恐いんです」
第2章まで読んで、自分もまさに同じことを思って、モヤモヤしていました。
一般化と特殊化
この章には、一般化と特殊化(抽象化と具体化)の例が出てきます。
一つは、合同と相似。(1:1 と 1:r と見なせる。)
距離空間から距離を捨てて、位相空間での写像の連続性の定義をしようとしています。
この議論をする際の、「抽象は捨象」という言葉が非常に印象的でした。
同一視と不変量
同相写像による位相空間の同一視、そして同相写像で変化しない量として位相不変量があることが説明されています。
ちなみに、グラフの一筆書き(第1章)については、グラフ同型での不変量としてオイラー閉路があるそうです。
…グラフにはどういう位相を入れるんだろう?という疑問が出てきますね。