7931のあたまんなか

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『数学ガール/ポアンカレ予想』第6章 読書メモ

今回は数学ガールポアンカレ予想』第6章の読書メモです。

第5章に続いて、紙とペンを持って計算しながら読むというよりは、頭の中でイメージしながら読む形でした。

なお、前回の第5章の読書メモはこちらです。

wed7931.hatenablog.com

第6章のタイトルは「見えない形を捕まえる」

ポアンカレ予想の主張に使われている基本群を説明しています。

【目次】

第6章のキーワード

2つの形が同じかを考えるために群を考えるのは自然なこと

例えば、正多角形を考える。

 n 角形にある操作を施してぴたりと重なるのはどのような操作かを考えると、次の3つがあります。

(1)  \frac{2 \pi}{k} 回転  (k = 0, \pm 1, \pm 2, \dots )
(2) ある軸での裏返し
(3) (1)と(2)の合成

(1)の全体は群となり、位数  n巡回群と同型です。

(1)~(3)の全体も群になり、二面体群と呼ばれます。

どちらもぴたりと重ねるという操作を代数的に表したものです。回転や裏返しという幾何的な言葉を代数的な言葉に置き換えています。

もう少し考えを進めて

2つの位相空間が同相かどうかを判断するために、次のような手法がとれます。

  • 同相写像で不変な群を考える。つまり、位相空間に対して「群」という位相不変量を考える。
  • 2つの位相空間があって、「群が同型でなければ、位相空間は同相ではない」と言える。

代数的位相幾何学の考え方のひとつです。

基本群が位相不変量のひとつ

位相空間上に描けるループが本質的に何種類あるか」ということを考えます。

本文にあるトーラスや球面の例を考えると、具体的な図形的イメージができると思います。

この問いに答える基本群について、本文から数式を中心にしてノートにまとめました。

この章の前半は、「2つの弧状連結な位相空間  X Y が同相ならば、それぞれの基本群  \pi_1(X) \pi_1(Y) が同型である」、つまり基本群は位相不変量であることで締めくくられています。

学生時代を振り返ると

数学科での幾何学の講義で、ホモトピーや基本群について勉強しました。

当時は幾何的なイメージをほとんど持たないままに計算に集中して、well-defined性の確認や具体的な基本群の計算をしていました。

そのためにこの分野はあまり理解できませんでしたが、この章を読むことでようやく理解できました。

ポアンカレ予想の主張

この章の後半では、ポアンカレ予想の主張が出てきます。

ポアンカレ予想
 M を3次元の閉多様体とする。
 M の基本群が単位群に同型ならば、  M は3次元球面に同相である。

本文で「僕」が話しているように、ここまで読めば、ポアンカレ予想の主張が何を言っているかがわかります。

数学ガールフェルマーの最終定理でも、証明のキーとなる主張の読み解きをしていて、「自分でも理解できるんだ!」と感動したときと同じような気持ちになりました。

数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)

数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)

おわりに

残りは第7章~第10章です。

目次には微分方程式フーリエ変換驚異の定理

驚異の定理は微分幾何の定理だと記憶していますが、他は幾何とどんな関係があるんだろう?

どこに向かうか、とても楽しみです。