『数学ガール/ポアンカレ予想』を自分なりにまとめてみた
『数学ガール/ポアンカレ予想』を約5か月かけて読み終わりました。
頭の整理のために、第1章~第10章まで1章ごとにメモをブログに書いてきました。
例えば、第1章のメモはこちらから。
『数学ガール』シリーズの既刊5巻すべてを読んで、各章ごとの数学的内容は独立していて、非常にわかりやすく読みやすいと感じていました。
一方で、通読した後に各章の関連付けがどうなっているかがうまく整理できないことがありました。
というわけで、今回は通読後に各章の関連付けを整理しよう!と目標を立てて読みました。
自分なりにまとめてみた
この本を読むための目標設定を1つ立ててみて、それぞれの章の役割と関連付けてみたのが、下の図になります。 *1
目標設定をしてみる
この本を読むことの目的を、
と設定してみました。
(2) もっと広い幾何学を知って
そこから先の幾何学(大学数学など)を
の3つと考えました。
そして、第1~6章と第8章は
- (a-1)から(a-2)へ:計量と曲率
- (b-1)から(b-2)へ:位相幾何学
- (c-1)から(c-2)へ:位相不変量とその例(基本群が例の1つ)
を理解する役割があると見ました。
(3) ポアンカレ予想の主張を読み解いて
第6章で初めて提示され、第10章で再掲されるポアンカレ予想は、(2)に出てくる概念(図の(B)~(E))で読み解くことができます。
「理解する」というよりも「読み解く」がポイントです。
(4) 証明のアイディアに触れてみよう!
ポアンカレ予想の証明のアイディアは、ハミルトンプログラムと呼ばれる考え方がポイントです。
その中に出てくる熱方程式の理解の助けとして、第7章と第9章の内容が使われています。
おわりに
この本を通じて、今まで苦手にしていた幾何学に歩み寄れた気がしました。
『数学セミナー 2017年12月号』の特集でホモロジーについてもざっくり知ることができたので、大学数学の幾何学の初歩の初歩までは近づけたかなと思います。
これを機会に、幾何学に対する否定的な先入観をなくして、数学を楽しみたいです!
*1:もちろん、いろいろな整理の仕方がありますので、これはあくまで私が作った一例にすぎません。