7931のあたまんなか

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ジョルダンとルベーグの面積の定義〜『ルベーグ積分講義』読書メモ

ルベーグ積分に再入門したいということで、ルベーグ積分講義』(新井仁之 著)を読んでいます。

堅くもないけど多少の骨がありそうなこの本に行き着きました。

現時点で読み終えた第6章までの印象では、ほとんど行間がなくとても読みやすい本です。
頭の中で計算を追える程度に詳しく書かれています。

この本の読書メモ第1回として、第1〜2章についてまとめます。

なお、わかりやすさとイメージを優先して、この記事では「面積」という用語を正しく使っていない部分もありますので、ご注意ください。

2つの方式の面積の定義

「そもそも図形の面積とは何か?」からスタートして、

が書かれています。

ジョルダン方式は、有界であまり複雑ではない図形の面積を測定できます。

一方、ルベーグ形式は、有界に限らない複雑な図形の面積を測定することができます。

ルベーグ形式はジョルダン形式より精密に面積を測定でき、両者で測定した面積が同じ値になることが、第3章で述べられています。

2つの方式の比較

2つの方式の詳細は本文参照としますが、両者を比較すると次のように整理できます。


その他のメモ

  • 第1章を読む前に、付録A(実数の基本的な性質)と付録D(可算集合)を読んでおくとよい。
  • PDFの[注1]にある基本長方形での定義の仕方が、もともとのジョルダンの定義の仕方である。
  • 第2章を読む前に、この章でよく使われる問題2.1の主張を頭に入れておくとよい。
  • 定理2.8で述べられている性質は、位相空間論でコンパクトと呼ばれる。