7931のあたまんなか

テーマ:数学/読書メモ/自分の考え方/水曜どうでしょう/交通関係(道路・航空)など。うつと生きる30代後半の男です。

連載「組合せ数学の雑記帳」~『数学セミナー』読書メモ

数学セミナー』では2019年4月から、連載「組合せ数学の雑記帳」(八森正泰)が始まりました。

この記事では、連載の内容のメモを毎号追記していきます。

私は学生時代に組合せ論に興味を持った時期があり、この連載はとても楽しみです。 *1

【第1回 - 2019年4月号】超平面の切り分ける領域の個数はいくつ?

d 次元空間を n 枚の超平面で切り分けるときにできる領域の個数  f_d(n) を考えるのが今回のテーマです。

d=3 の場合が、2019年度の東京工業大学の入試問題で扱われています。

amathnojaku.livedoor.blog

いくつかの専門用語が出てきますが、高校生でも十分理解できる内容だと思います。

頭の中で超平面を少しずつ動かすイメージができて楽しい記事です。

キーワード

  • 空間上のいくつかの点が一般の位置にある/縮退している
  • 超平面:d-1 次元のアフィン部分空間
  • 直線配置/平面配置/超平面配置(それぞれ d=2 / d=3 / 一般の d の場合)
  • シュレフリの式:  f_d(n) を d と n で書いた式

【第2回 - 2019年5月号】包除原理,半順序集合,そして再び超平面配置

高校数学でベン図とともに出てくる  |A \cup B| = |A| + |B| - |A \cap B| を一般化した公式(包除原理)からスタートします。

包除原理を部分集合どうしの包含関係(半順序関係の一例)を使って見直し、メビウスの反転公式を導きます。

最後に、前回の超平面配置について再考します。超平面( d-1 次元アフィン部分空間)とその交わりがなす頂点などのアフィン部分空間を、半順序集合の元と見ることになります。

キーワード

  • 包除原理(包含排除の原理とも呼ばれる)
  • 集合 E のべき集合  2^E : E の部分集合すべてからなる集合
  • 順序関係と半順序集合(poset)
  • ハッセ図:順序関係を図式化したもの
  • ランク n のブール束  B_n : n 元集合のべき集合のなす半順序集合
  • 階層的な半順序集合に定められるランク関数:集合の位数  | \cdot | の拡張に見える。
  • メビウス関数とメビウスの反転公式
  • ザスラフスキーの定理:超平面配置がなす領域数を与える公式
    • 超平面配置から半順序集合が得られ、アフィン空間の次元を加味すると得られる。

*1:専門にしていた表現論関係のセミナーや講演で、ヤング図形と組合せ論の関係がテーマのものが多く、興味を持ちました。あのテトリスのようなヤング図形が、単純に馴染み深く思えたのかもしれません。