7931のあたまんなか

数学/読書メモ/自分の考え方/水曜どうでしょう/交通関係(道路・航空)など、頭の中にあることを書き出しています。

数学で使うアルファベットの書き方のこだわり

数学では、数字やアルファベットはもちろんギリシャ文字を使います。

アルファベットもイタリック、太字、フラクトゥール(ドイツ文字)などのいろいろな書体を使います。

数学関係の本や論文ではこれらの書体を混ぜて使うのが普通です。例えば、下の画像にある私の修士論文でも同じです。

f:id:wed7931:20180507094213j:plain

この文字を手書きでどう書くか。講義の板書を真似したり、自分で書いてみるなど試行錯誤があります。

ここでは、私が手書きでどう書くかのこだわりをまとめておこうと思います。*1 おそらく、人よりもこだわりが強いんじゃないかと思っています。

数字の書き方

まずは数字から。

1の書き方にこだわりがあります。それ以外は普通です。

f:id:wed7931:20180506224438j:plain

アルファベットの書き方

ローマン ~ 基本となる書き方

まずは基本のローマンです。

自分の中のルールでは、  \mathrm{lim} \mathrm{Sin}^{-1} などはローマンで書くようにしています。

「Cとc」や「Sとs」など大文字と小文字が同じ形でも特に区別はつけません。

f:id:wed7931:20180506224306j:plain

イタリック ~ 大文字と小文字の区別をつける

 y = f(x) のように通常の数式を書くために使うイタリックです。

こちらは、大文字と小文字の区別をつけるのがこだわりです。*2

また、 U V は集合・論理演算で使う  \cup \vee と区別できるようにしています。

f:id:wed7931:20180506224038j:plain

ちなみに、  b, \ h, \ k はかなり試行錯誤がありましたが、ここでは省略。

太字*3 ~ 人によって個性がある印象

実数全体を表す  \mathbb{R} やベクトルを表す  \mathbf{a} *4 などで使われる太字です。

イタリックに1本加えて書くことを基本としています。

f:id:wed7931:20180506224309j:plain

どこに1本を加えるかは、人によって個性がある印象があります。

花文字 ~ 筆記体のようなもの

フーリエ変換 \mathscr{F} などです。TeXでは \mathscr{F} と書きます。

アルファベットの筆記体をベースにしています。なかなかうまく書けないんですが…。

f:id:wed7931:20180506224319j:plain

\mathcal{F} で書く  \mathcal{F} も同じ書き方にしています。

フラクトゥール ~ すべての文字は書けません

ドイツ文字とも呼ばれるフラクトゥール。Lie群を表す  \mathfrak{g} \mathfrak{sl}(n, \mathbb{K}) 、べき集合  \mathfrak{P}(X) で使われます。

Lie群の表現論が専門だったので、フラクトゥールの小文字は日常的に書いていました。書き方は講義の板書を参考にしました。

書ける文字だけ書いてみました。

f:id:wed7931:20180506224313j:plain

ギリシャ文字の書き方

 \eta, \ \nu, \ \omega などはアルファベットの小文字と判別できるようにこだわっています。

f:id:wed7931:20180506224316j:plain

おわりに

ほかにも数学記号の書き方のこだわりがいくつかありますが、また別の機会にします。

また、数学セミナー増刊の『数学ガイダンス2018』の間瀬茂さんの記事「数学記号とギリシャ文字について」が文字の書き方の注意などがあり、おもしろい内容でした。

*1:あくまで私個人の一例です。

*2:大文字  O と小文字  o は例外。

*3:ここでは、ボールドと黒板太字の両方を合わせて太字と言っています。

*4:本当は \bm{a} で書きたい。