第5章に続いて、紙とペンを持って計算しながら読むというよりは、頭の中でイメージしながら読む形でした。
なお、前回の第5章の読書メモはこちらです。
第6章のタイトルは「見えない形を捕まえる」。
ポアンカレ予想の主張に使われている基本群を説明しています。
【目次】
第6章のキーワード
2つの形が同じかを考えるために群を考えるのは自然なこと
例えば、正多角形を考える。
正 角形にある操作を施してぴたりと重なるのはどのような操作かを考えると、次の3つがあります。
(1) 回転 。
(2) ある軸での裏返し
(3) (1)と(2)の合成
(1)の全体は群となり、位数 の巡回群と同型です。
(1)~(3)の全体も群になり、二面体群と呼ばれます。
どちらもぴたりと重ねるという操作を代数的に表したものです。回転や裏返しという幾何的な言葉を代数的な言葉に置き換えています。
基本群が位相不変量のひとつ
「位相空間上に描けるループが本質的に何種類あるか」ということを考えます。
本文にあるトーラスや球面の例を考えると、具体的な図形的イメージができると思います。
この問いに答える基本群について、本文から数式を中心にしてノートにまとめました。
この章の前半は、「2つの弧状連結な位相空間 と が同相ならば、それぞれの基本群 と が同型である」、つまり基本群は位相不変量であることで締めくくられています。
ポアンカレ予想の主張
この章の後半では、ポアンカレ予想の主張が出てきます。
本文で「僕」が話しているように、ここまで読めば、ポアンカレ予想の主張が何を言っているかがわかります。
『数学ガール/フェルマーの最終定理』でも、証明のキーとなる主張の読み解きをしていて、「自分でも理解できるんだ!」と感動したときと同じような気持ちになりました。