7931のあたまんなか

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置換群とその表現群~『表現論入門セミナー』読書メモ その1

買ってから14年経ってようやく『表現論入門セミナー ― 具体例から最先端に向かって』(平井武・山下博)を読み始めました。

表現論入門セミナー―具体例から最先端にむかって

表現論入門セミナー―具体例から最先端にむかって

私が学生時代に専門にしていたリー群の表現論について書かれた本で、物理との関係についても触れられています。

Twitterを通じて表現論と物理の関係に興味を持ち、この本を読み始めました。

自分の頭の中を整理することを目的として、読書メモを書いていこうと思います。

まずは第1章の§1.1~§1.3にあたる内容をまとめます。

置換群の復習

 n 次対称群  \mathfrak{S}_n の性質についての復習(§1.1.1)

  • 巡回置換
  • 互換
  • 単純置換(互換のうち、  (i \ \ i+1) で表せるもの)
  • 偶置換と奇置換
  • すべての偶置換を集めた  n交代群  \mathfrak{A}_n

 \mathfrak{S}_n \mathfrak{A}_n の生成元系

  • 自由群と基本関係式の復習(定理1.1)
  •  \mathfrak{S}_n の生成元系の具体的表示(定理1.1)
  •  \mathfrak{A}_n の生成元系の具体的表示(問題1.3、問題1.4、定理1.3)

置換群の例と関係する話題

 \mathfrak{S}_n \mathfrak{A}_n の表現群

※表現群の定義は次回に説明する。元の群を大きくして表現を拡張するようなイメージ。

  •  \mathfrak{S}_n の表現群:§1.2.4
    •  n=6 は例外(§1.3.1)
  •  \mathfrak{A}_n の表現群:§1.3.2
    •  n=6,7 は例外

本文中に  l 重の被覆群という用語が出てくるが、詳細な定義は後の章で述べられる。

外部自己同型群

 G の外部自己同型群の定義が書かれていなかったので、ここにメモしておく。

  • 自己同型群  \mathrm{Aut}(G)
    •  G から  G への群同型全体
  • 内部自己同型群  \mathrm{Int}(G) *3
    •  g \in G が引き起こす自己同型  \iota_{g} (h) := g h g^{-1} \ (h \in G) (内部自己同型)の全体
  • 外部自己同型群  \mathrm{Out}(G)
    •  \mathrm{Out}(G) := \mathrm{Aut}(G) / \mathrm{Int}(G)

次回以降:多面体群の置換表現

置換群の一例として、§1.4~§1.5に多面体群の置換表現が書かれています。

次回以降でまとめる予定です。

*1:15パズルは 数学セミナー 2017年 10 月号 32ページにも記載あり。参考: 「数学セミナー 2017年10月号」の読書メモ ~ その2 - 7931のあたまんなか

*2:難しくて読み切れなかったが、基本群との関係が気になる。

*3: \mathrm{Inn}(G) と書いた本もある。