7931のあたまんなか

数学/読書メモ/自分の考え方/水曜どうでしょう/交通関係(道路・航空)など、頭の中にあることを書き出しています。

2023年の数学活動を振り返る

大学院数学専攻の修士課程を修了して、もうすぐ20年。
今でも、興味の赴くままにいろいろな数学に触れて、趣味として数学を楽しんでいます。

2018年から1年間の数学活動を振り返る記事を書いており、今回は2023年の振り返りをしてみようと思います。*1

※過去の振り返り記事: 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年


【目次】


数学セミナー』の読者モニター

一般向けの数学雑誌の『数学セミナー』で、読者モニターを担当させていただいています(2023年4月号から1年間)。


日本評論社さんから数学セミナーを毎月送っていただき、次号の発売までに感想やコメント(1500字以上)を編集部にお送りするというものです。

2017年4月号から毎号読んでおり、2023年度に読者モニターを募集することを知って応募したところ、ありがたいことに担当させていただくことになりました。*2


私の場合、コメントをTeXで書いてPDFファイルにして、編集部にメールで送付しています。*3
毎号、ほとんどすべての記事にコメントを書いており、最終的にはA4で10ページ前後の文書になっています。
コメントした内容について、編集部の方から返信をいただくこともあり、読者モニターの活動の励みになっています。

これまでもこのブログで読書メモの形でコメントを書いていましたが、読者モニターとしてのコメントはより踏み込んだ内容を書くことが多いため、記事の内容への理解が深まることが実感できており、数学の勉強として非常に効果的な活動だと思っています。


2024年度も読者モニターを募集していますので、興味のある方は応募してみてはいかがでしょうか。



結城浩さんの著作のレビューは10作目

2018年から『数学ガール』シリーズをはじめとする結城浩さんの著作の執筆段階でのレビューを担当させていただいています。
継続的にご依頼いただいており、とてもありがたく思っています。

2023年は以下の2冊のレビューを担当しました。

これで、私がレビューを担当する作品は10作目となりました。*4


数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』のレビューを通して、これまで理解が不十分なまま放置していたデデキントの切断などの実数の構成について、初めて理解できたと思えるようになりました。

群論への第一歩』の内容は私にとって既知のものがほとんどでしたが、説明の仕方が独特で非常にわかりやすいと思える部分が複数ありました。
また、数学書の読み方を身につけたい人にとってもおすすめの本です。
完成版を読むのが今からとても楽しみです。


7月に結城浩の談話室という企画を通して、結城さんと初めて音声で会話をしました。
結城さんとお話ができるだけでうれしかったのですが、結城さんから私のレビュー内容について前向きな発言をいただき、本当にうれしかったです。

次回作以降も機会があれば、お手伝いしたいと思います。



その他の活動

2023年は上に書いたようなコメントを書く活動がメインで、数学書をゆっくり読んだりすることはあまりできていません。
ちなみに、2022年の振り返りに書いた数学関係の本の“インデックス”の作成(詳細はこちら)は、数学セミナーの読者モニターの活動に合わせて継続中です。

数学書を読むことはあまりできていませんが、数学書はちょこちょこ買っています。
2023年に買った数学書の写真を撮ってみました。(いつかしっかり読みたい!)

2024年にやりたいこと

2022年の振り返りで、「日曜数学会などの場で勉強したことを発表してみたい」と書いたのですが、まだ実現できていません。
特定のトピックについて勉強しているというわけでもないので、そもそもネタがあまりないという根本的な問題があります。

ですので、これまで通り、自分がやっている数学をアウトプットすることを続けていきたいと思います。
アウトプット先はブログのような公開形式かもしれませんし、読者モニターやレビューのような特定の方のみに送付する形かもしれませんが、自分が考えていることをアウトプットすることは続けていきたいです。

まぁ、あまり肩肘張らずに、2024年もこれまでと変わらず、マイペースで自分のスタイルで数学を楽しんでいこうと思います。

*1:この記事を書いているのは2024年1月7日ですが、記事の公開日は便宜上2023年12月31日にしています。

*2:応募時の自己PRの内容を読み返すと、自分の数学活動の“履歴書”のようなことが書かれています。いずれ公開してみようかとも考えています。

*3:TeXである程度の分量の文章を書くのは修士論文以来で、PC内にTeX環境を構築するのは面倒だったので、Overleafを使っています。便利な時代になりました。

*4:ちなみに、レビューのコメントはメール本文に書いて送付しています。分量にすると、1作あたりA4で15〜20ページくらいになるかと思いますので、これまでに書いたコメントは合計でA4で150〜200ページくらいになる計算です。