数学の本を読むのは楽しいけど、問題を解くのはそうでもない。
以前から少し気になっていたことを何気なくツイートしてみました。
数学の教科書や参考書を読むのはすごく楽しい。
— 7931 (@wed7931) May 29, 2018
でも、数学の問題を解くのはそれほどワクワクしない。
大学入試の2次試験の問題は解ける自信があまりない。
でも、解答例を読むのは好き。
「読む」と「解く」にある差は何なんだろう?
最近は『数学セミナー』や大学数学の教科書などを読んで、内容が理解できるのがとても楽しいと思っています。
一方、数年前は趣味で高校数学の問題を解いていましたが、あまりワクワクせずに途中で終わってしまいました。
この差は何だろう?と思っていて、ツイートをしました。
いくつかの反応がありましたので、ご紹介します。
数学は「解ける」ことが重要視されているのでは?
これ結構気になる話題ですね。
— ぶっちー (@buti_buti_oki) May 29, 2018
数学も「読める」ことより「解ける」ことの方が重要視されてる気がします。扱いの差は何なのでしょう。
数学は「解く」学問だと思われてる節があるような気がします。それで毛嫌いする人も一定数いそうです。 https://t.co/D0xLBJdm5Y
なるほど!と思いました。
確かに、高校までの数学ではこの傾向が強いなと。ある意味で必然なのかもしれません。
自分にとって、「数学の本を読む」ということは大学で数学を勉強することで知りました。
このツイートに対して、このような反応をしました。今考えると、少し的外れかもしれません。
数学では「解ける」ことが重要視されているっていうのは、そうかもしれないですね。
— 7931 (@wed7931) May 29, 2018
ひとりで解いて終わりなら出来不出来が第三者にわからない。でも、学校だと先生や友達に出来不出来がわかって、できない(=解けない)とだんだん数学が嫌いになる。
推測ですが、こういうことがありそうですね。 https://t.co/Q4mXUyUF9T
ある程度の見通しというか結果が予見できる方が気持ちいいから?
面白いですね。
— Loveブルバキ(ラブル) (@lovebourbaki) May 29, 2018
「AならばBを導け」みたいな証明問題に限ると、答え(=証明)を読むと、AとBの定義や関係する性質の関連性が分かるのでそれが面白いんだと思います。証明問題を解こうとすると、関係性が分からない状態で手探りでそれを見つける必要があるのでワクワクしないのかもしれません。
このツイートは自分のことを言い当てているように思えて、ドキッとしました。
数学に限らず、自分にとって、ある程度の見通しというか結果が予見できる方が気持ちいいことが多いです。
逆に、手探りで何かを見つけるのはあまりワクワクしません。
これまでの仕事の進め方を考えても、その通りだなと思いました。
このツイートが端的に本質を突いている?
受動と能動 https://t.co/ioldVAdert
— T.Ta (@okinawa39tama) May 29, 2018
おっしゃる通りという感想です。このツイートもドキッとしました。
特集「複素関数の質問箱」まとめ(その2)~『数学セミナー 2018年6月号』読書メモ
『数学セミナー 2018年6月号』の特集「複素関数の質問箱」を引き続き読んでいます。
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前回は、複素数の定義とその性質、そして複素関数と実関数の関係についてまとめました。
今回は複素関数の微分について、「複素微分とはなんですか.ふつうの微分とはどう違うのですか.」(金子元さん)をもとにまとめました。
この記事で扱っているのは、次の3つです。
- 複素微分の定義
- コーシー・リーマンの関係式
- 正則関数の性質
なお、今回は手書きの資料をベースに記事を構成しています。見づらい部分がありましたら、申し訳ありません。
正則関数の性質と解析関数
概要は以下の通りです。
その他
本文では、一致の定理や上記の性質が実関数では成り立たない例が書かれています。
なお、一致の定理の詳しい議論は後続の記事に書かれています。
『数学ガール/ポアンカレ予想』第3章 読書メモ
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今回は第3章の読書メモです。
前回の第2章のメモはこちらです。
第3章のタイトルは「テトラちゃんの近くで」。数学の分野で言うと、位相空間論がテーマです。
個人的には、第2章までの位相幾何学よりもなじみがある分野なので、すんなり読むことができました。
【目次】
数式が出てこないのはやっぱり気になっていた
83ページに、第2章までのトポロジーの議論についてテトラちゃんの不安が書かれています。
「気になっているのは、数式が出てこない点です。絵を描いて終わりにしていいのかな、なんて」
(中略)
「数式が出てこないと、まちがったことをやっていないのかなと考えてしまうんです。伸ばしたらこうなりますね、貼り付けるとこうなりますね、数学なのに、それでいいんでしょうか。あたしは、まちがうのが恐いんです」
第2章まで読んで、自分もまさに同じことを思って、モヤモヤしていました。
一般化と特殊化
この章には、一般化と特殊化(抽象化と具体化)の例が出てきます。
一つは、合同と相似。(1:1 と 1:r と見なせる。)
距離空間から距離を捨てて、位相空間での写像の連続性の定義をしようとしています。
この議論をする際の、「抽象は捨象」という言葉が非常に印象的でした。
同一視と不変量
同相写像による位相空間の同一視、そして同相写像で変化しない量として位相不変量があることが説明されています。
ちなみに、グラフの一筆書き(第1章)については、グラフ同型での不変量としてオイラー閉路があるそうです。
…グラフにはどういう位相を入れるんだろう?という疑問が出てきますね。
特集「複素関数の質問箱」まとめ(その1)~『数学セミナー 2018年6月号』読書メモ
『数学セミナー 2018年6月号』の特集は「複素関数の質問箱」です。
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複素関数は学生時代に講義を通して勉強しましたが、理解不足で終わってしまった分野です。
印象として残っているのは、実関数とは違って複素関数は「定義域内のある部分集合上での性質がわかれば定義域全体での関数の様子がわかる」ということでした。ですので、今回の特集で改めて複素関数を知ることができると期待しています。
この特集の7つの記事のうち、最初の2つの記事を読みましたので、その内容をまとめます。
「複素数ってそもそも何なの?」(須川俊幸さん)
複素数の定義と様々な特徴づけについて書かれています。
複素数の定義
高校で習うレベルの内容なので、ここでは定義を省略しますが、次の特徴が説明されています。
また、複素数平面を使って考える幾何的特徴も説明されています。複素数 に複素数 を掛けることは、 を原点を中心に 回転させて 倍引き延ばすことになります。
「複素関数論の中の実関数」(中村弥生さん)
この記事では、複素関数の特徴的な性質と複素関数に拡張したことで見えてくる実関数の性質について書かれています。
初等超越関数と特殊関数
本文中で説明されている関数についてのいくつかの用語を挙げます。
プログラミング教育の題材として筆算を扱うのはどうでしょう?
小4の長男の宿題として、最近は割り算の筆算がよく出てきます。
何度も反復練習をして、だんだん計算に慣れてきたようです。
振り返ると、これまでに足し算・引き算・掛け算・割り算の四則計算の筆算を学んだことになります*1。
ここで、いったん立ち止まって考えてみます。
それぞれの筆算の手順を覚えてトレーニングを重ねて、計算できるようになったとします。
それでは、なぜその手順で計算できるかはどれくらい理解できているでしょうか。
自分が小学生だったころを思い出すと、その理由が理解できたのは、筆算を習ってしばらく経過してからでした。
理解できたきっかけは、何かの本で「割り算の商は、割られる数を割る数で引ける回数」であることを知ったことです。これを知ったときの衝撃はよく覚えています。
その後、プログラミングというものを知り、筆算はアルゴリズムの一つなんだということを知りました。
2020年から小学校でプログラミングが必修化されます。
私は具体的にどのような授業を展開するかはわかりません。
ある処理を行うためのアルゴリズムを考えて、それをプログラミング言語を使ってコーディングするという授業かもしれません。
もしそうだとしたら、アルゴリズムを考える取っ掛かりとして、小学生みんなに馴染み深い筆算を題材にするというのも一つの手ではないかと思いました。
- 筆算という既知の手順を復習し、アルゴリズムとして考える。
- なぜこのアルゴリズムで計算できるかを考える。
- 四則計算をするための別のアルゴリズムがないかを考える。
- 使える演算を足し算と引き算に限定して、掛け算と割り算をするアルゴリズムを考える。
ざっと、このようなことができるのではないでしょうか。
これなら、PCが手元になくても、通常の教室で授業できて手軽ではないかと思っています。
*1:足し算と引き算の筆算は小2、掛け算は小3、割り算は小4で学習します。
数式を含む文を日本語でどう読むか
中学校や高校の数学の教科書には、こんな文が書かれています。*1
のとき、 である。
この文を声に出して読むとしたら、どう読むでしょうか。
を「 小なり 」と読むとしたら、
小なり のとき、 小なり である。
と読めます。
実際に、私が中学校で不等式を習ったときは*2、このような読み方を教わりました。高校まではこの読み方をよく聞きました。
しかし、この読み方は日本語としてやや不自然に思えます。そして、数学的な意味(この例では、数の大小関係)が直感的に伝わりにくい言い方です。
これを考慮すると、このような読み方をする方が自然です。
が より小さいとき、 は より小さい。
意味が伝わりやすい言い方になりました。しかし、よく見るとあることに気付きます。
元の不等式を含む文から、「のとき」の「の」や文末の「である」が消えています。
このように消える文字があるので、この読み方ができるようになるには慣れが必要かもしれません。
数式もひとつの言葉と考えれば、日本語として自然で伝わりやすい後者の読み方をした方がよいのではないかと思います。
個人的に、最近は読解力が気になっています。
数式を含む文の読み方を工夫して、数学の教科書を自然な日本語で声に出して読めるようになれば、読解力が上がるのではないかと思っています。
ストレスを減らしてみよう ~ 床屋さん編
昨日、37年の人生で初めて丸坊主にしてみました。
もともと丸坊主の息子たちを床屋に連れて行って、ついでに自分の髪も切ってもらうことにしました。
いつもは「こう切ってほしい」とあれこれ話しますが、どう話すかを考えるのがいつもストレスでした。
高校まで住んでいた実家の近くの床屋さんは、黙っていても切ってくれる感じだったでした。
しかし、学生になって実家を出ると、髪を切ってもらうというほぼ毎月の行事が大変でした。
まずはどの床屋に入るか?入ったらどうお願いするか?特にこだわりもないし、どうお願いすればいいか?そして天然パーマなので、どう切ってもらっても時間が経つと、気になる部分が増えてくる。かといって、床屋さんに頻繁に行くのは面倒だし、行ったらお願いする内容で悩むし…。
床屋さんをやっている叔父に相談したこともありました。
それくらい、床屋に行くということ自体がストレスでした。
そして昨日、丸坊主にすれば、「何mmのバリカンで刈ってください!」でストレートに伝えられる!と思って、思い切って丸坊主にしてみました。
この髪型は意外と快適です。家族は慣れない髪型に戸惑い気味ですが、そのうち慣れるでしょう。
これで長年のストレスが一つ解消できたかなと思っています。