「公式は作れるんだ!」と知って数学の見方が変わった
算数・数学は小学生のころからず~っと好きで、大学数学科を卒業して10年以上経った今でも数学をやっています。
数学に興味を持ったきっかけは2つあって、以下の記事に書きました。
今回のお話は、数学に興味を持ったというよりも、数学の見方が変わったという話です。
高校2年の数学の授業での話
高校2年のときに、三角関数を習いました。
三角関数では、いろいろな公式が出てきます。
手元にある参考書に書かれている公式を挙げてみます。
- sin,cos,tanの相互関係(tan θ = sin θ / cos θ,(sin θ)^2 + (cos θ)^2 = 1 など)
- sin,cos,tanの加法定理
- 半角、2倍角、3倍角の公式
- 積→和、和→積の公式
- 三角関数の合成
- ほかに、sin (θ+π) = -sin θ など
高校数学の単元では、登場する公式がかなり多い方だと思います。
「これを全部覚えなきゃいけないのか…」と思っていたとき、先生がこう言いました。
相互関係とsin,cosの加法定理を覚えていれば、他の公式は覚える必要はない。
必要なときにその場で導けるようにしておくことが大事。
これを聞いたときに、「公式は作れるんだ!」と衝撃が走りました。
この後から数学の見方が変わった
それまでは、「公式は覚えて使うもの」という意識がありました。
それが「数学の基本的なことを理解していれば、公式は導けるもの」に意識が変わりました。
これ以降は、数学の基本的なことを理解することに、より重点を置くようになりました。
大学に入ってからはさらに数学の見方が変わった
大学の数学科に入ると、定義・定理・証明のスタイルで数学を考えるようになりました。
そう考え始めると、「そもそも公式ってなんだろう?」という疑問が出てくるようになります。
小学校~中学校では、三角形の面積の公式、直方体の体積の公式、速さの公式、2次方程式の解の公式など、たくさんの「公式」が出てきます。
「『公式』と呼ばれるものの中には、定義と定理がごちゃまぜになっていないか?」と考えるようになりました。
詳しく調べたわけではないですが、おそらく定理に当たるものが大半だと思います。
つまり、数学の定義に当たるものから導出できる公式が大半だと理解しています。
その後は、定義・定理・証明を明確に意識するようになります。
今もそのような視点で数学を見ています。
この視点で小学校の算数の教科書を読んでみる
数学科を卒業して約10年経ち、息子が小学生になりました。
新学期になると、算数の教科書をまず見せてもらいます。
上に書いたような視点で算数の教科書を見ると、なかなか新鮮です。
- 直角という概念をどう教えているか?
- 長方形と正方形をどのように説明しているか? など
「何が定義で何が定理か」を、しっかり判別して読むのは難しいです。
おそらく発達段階としてそこを厳密に教えるのは難しいし、ことさらに意識させるのはかえってよくないのかもしれません。(これは私の勝手な想像です)
過剰な期待かもしれませんが、私の息子がどこかで気づいてくれるとうれしいと思います。
4月から長男は小学4年生。
今から算数の教科書を見せてもらうのが楽しみです。