『数学ガール/ポアンカレ予想』第2章 読書メモ
『数学ガール/ポアンカレ予想』をブログにメモを取りながら読み進めています。
第1章のメモはこちらです。
今回は第2章『メビウスの帯、クラインの壺』についてのメモです。
数学の分野としては第1章と同じく位相幾何学ですが、第2章の方が読み進めるのに苦労しました。おそらく、平面から空間をイメージするのが難しかったのだと思います。
【目次】
- 第2章のキーワード
- 学生時代に一度勉強して、用語は聞いたことはあるけど…
- 貼り合わせをじっくり考えてみた。
- (1) 射影平面のイメージが難しかった。
- (2) クラインの壺の展開図が でも でもいいのはなぜ?
- (3) クラインの壺 = 球面と射影平面2個の連結和?
- そのほか気になったことや感想など
学生時代に一度勉強して、用語は聞いたことはあるけど…
この章の内容は、学生時代に講義を通して、一度勉強した内容でした。
閉曲面や向き付け可能性という用語、辺の同一視による貼り合わせの概念などは知っていました。ですが、読み進めることで、記憶が断片的で内容がほぼ理解できていないことがわかりました。
特に、最も基本となる閉曲面の定義があやふやでした。「境界がない」という重要な性質があることを忘れていました。
しかし、じっくり読んでいくことで、理解を進めることができてうれしい気持ちになりました。
貼り合わせをじっくり考えてみた。
「閉曲面の展開図を考えて、辺を同一視して貼り合わせる」という概念が、この章のポイントです。
貼り合わせについて、納得するのに時間がかかったポイントが3つあります。それを説明します。
(1) 射影平面のイメージが難しかった。
球面やトーラスの展開図は容易にイメージできましたが、射影平面のイメージがなかなかできませんでした。
ですが、本文中にある図を完成形として先に頭に入れて考えることで、イメージができました。
こちらの動画も非常にわかりやすいです。*1
(2) クラインの壺の展開図が でも でもいいのはなぜ?
閉曲面の分類の中で出てくるこの事実。理解するのに苦労しました。
本文中では、 の展開図を半分に切って反転させて貼り合わせるという方法で説明しています。
自分が引っ掛かったのは、「反転させて貼り合わせる」という部分です。反転させていいの?と思ったわけです。
よく考えて、反転させても問題ないと納得しました。こういう道筋で納得しました。
そのほか気になったことや感想など
メビウスの帯の重要性を認識
貼り合わせについてのミルカさんの言葉
- 「図形と展開図の対応が頭の中で付けられるなら、実際に3次元的に貼り合わせる必要はもうない。矢印の付いた辺同士を、向きを合わせて同一視すればいいのだから。数学での図形の貼り合わせは、同一視に他ならない」(55ページより引用)
- 数学をする上での重要なキーワードは同一視。